ネパール旅行 バクタプル
カトマンズからローカルバスに揺られること約1時間。現地の人々の暮らしの熱気に包まれ、窓の外を流れる景色を眺めながらたどり着いたバクタプルは、街全体が世界遺産に登録されている美しい古都です。中世の面影を色濃く残す赤茶色のレンガ造りの建物や、緻密な木彫りの窓、そして伝統的な陶器作りで知られています。

この街を歩いていて何より心を奪われたのは、迷路のように入り組んだ薄暗い小道を抜け、視界がパッと開けて美しい広場に出る、あの瞬間の景色です。

狭い路地の先から光が差し込み、一歩足を踏み出すと、そこには圧倒的な存在感を放つ寺院や広々とした空間が広がっているのです。その劇的なコントラストがあまりにも美しくて、私は何度も小道と広場を行ったり来たりしてしまいました。大人になってから、ただ「あの景色にもう一度出会いたい」という理由だけで、同じ道を何度もウロウロするなんて、なんだか贅沢で愛おしい時間ですよね。

そして、バクタプルを訪れたら絶対に外せないのが、街の名物であるヨーグルト「ズーズー・ダウ」です。現地の言葉で「ヨーグルトの王様」と呼ばれるこのお菓子は、特産の素焼きの陶器に水牛のミルクを流し込んで作られます。
素焼きの器が余分な水分をほどよく吸い取り、さらに器の目の中に棲み着いている自然の乳酸菌たちが働くことで、まるで濃厚なチーズケーキやカスタードプリンのような、びっくりするほどクリーミーな味わいで。目に見えない菌と土の器が織りなす自然の魔法ですね。これがあまりにも美味しくて、見かけるたびに何個も食べてしまいました。(お腹の調子を心配しながら)

お腹も心も満たされたあと、タウマディ広場にそびえ立つ五重の塔、ニャタポラ寺院の急な石段を登ってみました。

高い基壇の上に腰を下ろし、眼下に広がる赤レンガの街並みと、広場を行き交う人々の暮らしをただボンヤリと眺めていると、不思議な感覚が訪れます。車も通らない石畳の広場、軒先で語らう人々、遠くから聞こえる生活の音。カトマンズからバスで1時間走っただけなのに、まるで数百年前の時代にタイムスリップしてしまったかのような錯覚に包まれ、自分が今どこにいるのかさえ忘れてしまうほどでした。
普段の私たちは、「次は何をするか」「どう効率よく動くか」と、常に時計の針を気にしながら生きています。でも、ローカルバスにコトコト揺られ、異国の古い塔の上でただ風に吹かれながら街をボンヤリ眺める時間は、せわしなく動く思考をピタッと止め、心を本来の静けさへと戻してくれました。
美味しいものを食べて素直に「美味しい!」と喜び、美しい景色に出会うために何度も同じ道を歩き、ただボンヤリと時間を手放す。バクタプルの街が教えてくれたのは、そんな「心の余白」の心地よさだったのかもしれません。
皆さんは最近、時間を忘れて何かに見惚れたり、ただボンヤリと過ごしたりする時間はありましたか?

投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(バンコク支部)心理カウンセラー
- くれたけ心理相談室(バンコク支部)は、タイのバンコクを拠点に心理カウンセリングを承っております。国内外問わず、Zoom・Google Meet・Skypeによるカウンセリングにて対応させていただいております。
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